部分矯正とは
部分矯正はその名の通り、矯正装置を用いて、歯を部分的（通常は前歯の1～2本）に動かす方法です。
歯列全体にかかわる歯並びの乱れには適応となりませんが、軽度のすきっ歯、出っ歯などを、費用を抑えて改善することができます。
前歯は奥歯と比べて動かしやすいため、治療期間も短くて済みます。
一般的な矯正との違い
| 全顎矯正 | 部分矯正 | |
|---|---|---|
| 治療対象となる歯 | すべての歯 | （主に前歯の）1～2本 |
| 一般的な費用の目安 | 60万円～ | 20万円～ |
| 治療期間 | 1～3年（それ以上の場合も） | 3カ月～1年 |
| 適応の範囲 | すべての症例（外科的治療が必要なことも） | 軽度の歯並びの乱れ |
こんな方におすすめ
部分矯正は、1～2本であればどの歯でも適切に動かせる、というものではありません。
歯並び、咬み合わせが大きく乱れている場合などには、部分矯正の適応とならないことがあります。
部分矯正で適応外になったときにも、マウスピースによる全顎矯正をご案内することができますので、まずは一度ご相談ください。
部分矯正は、特に、以下に該当する方におすすめします。
- 軽度のすきっ歯、出っ歯が気になる
- 前歯のねじれが気になる
- 費用を抑えて前歯の歯並びをきれいにしたい
- 短期間で前歯の歯並びをきれいにしたい
- 過去に矯正治療を受けた歯が後戻りを起こした
部分矯正のメリット・デメリット
部分矯正のメリット
- 比較的低価格での矯正治療が可能
- 短期間（3カ月～1年）で矯正治療を終えられる
- 装置が部分的であるため、比較的目立たない
- 装置が部分的であるため、異物感が少なく、食事・発音への影響が少ない
部分矯正のデメリット
- 歯列全体の歯並びが改善されるわけではない
- 歯並び、咬み合わせが大きく乱れている場合には適応外となる
- 歯並びの審美性を追求する場合には、仕上がりが全顎矯正に劣る
部分矯正のQ&A
部分矯正が受けられないのは、どんなケースですか？
歯並び、咬み合わせが大きく乱れている場合には、適応外となることがあります。また、歯列全体の審美性を追求したい場合には、部分矯正よりも全顎矯正をおすすめします。
部分矯正の装置は、全顎矯正の装置とどのような点が違うのですか？
ブラケットとワイヤーを使う場合には、その装置が小型になります。動かす歯の本数が異なるためです。ですので、全顎矯正と比べると、目立ちにくいと言えるでしょう。異物感も抑えられます。装置の仕組みそのものは基本的に両者とも同じです。ブラケットに通したワイヤーの力で、歯を動かします。
マウスピース型の装置でも部分矯正は可能です。こちらは部分矯正の場合でも全歯にかかる装置が必要ですが、もともとほとんど目立たないため、気になさる必要はないかと思います。
部分矯正のメリットを教えてください
治療期間の短さ、比較的低価格での提供が可能な点です。
また、抜歯が必要になるケースが非常に少ないことも、メリットとして挙げられるでしょう。
部分矯正の場合、通院の頻度はどれくらいになりますか？
装置の調整や治療の効果の確認、クリーニングのため、1カ月に1回程度ご来院いただいております。
治療中の痛みが心配なのですが…
力でもって歯を動かすわけですから、まったく痛みがないとは言えませんが、全顎矯正と比べると抑えられます。
前歯は奥歯より動かしやすく、また部分矯正の場合は移動距離が短いことが多いためです。
痛みが現れやすいのは、治療開始直後、調整直後です。時間とともに治まっていきますので、頑張りましょう。どうしても我慢できない、というときにご連絡ください。
以前に全顎矯正を受けました。最近、少し後戻りが見られますが、部分矯正での治療は可能ですか？
はい。後戻りに対しても部分矯正は有効です。特に1～2本の歯だけが後戻りを起こしているという場合には、部分矯正を選択することで費用も抑えられます
